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千米を越える緑の山々を周囲に従え孤高にたたずむ富士山。まるで平野のどまん中に「我こそは日本のへそなり」とばかりにそびえたっているようです。古来か ら大量の溶岩を噴出し、ドンドン高くなっていったのです。延暦、貞観、宝永と、近年でも大噴火の記録が残っています。きれいな八の字型をつくるその山頂は けわしく八峰に別れ、最高峰は、今は無人の測候所の残る剣ケ峯、3776米です。二千米を超えたらもう瓦礫が始まる富士山の生態系の特徴は、高山植物が極 端に少ないのだそうです。美しい姿のわりに生命を寄せつけない壮絶な山でもあるのです。白山、立山と並び日本三霊山といわれる富士山は、山岳信仰の中心で あり、竹取物語や万葉集でも讃えられ、たくさんの文人や北斎、広重、大観ら画人たちの心も、虜にしてきました。毎朝、東の方にご来光を向かえ、西に入り陽 を送りながら、赤く染まってたたずむ富士山は、今日も僕たちを見守ってくれています。