冨士 芸術と文化の山 1/6

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イントロダクション
富士山は、日本のほぼ中央にそびえる大変美しい山。古くから日本人にとって心のふるさとであり、精神の源泉、文化の母胎でありました。絵画、文学、詩歌、あるいは演劇の舞台となり、現在に至るまで数多くの芸術作品を生み出しています。その歴史は、日本文化の歴史そのものであり、日本人のみならず、海外の芸術家たちにも影響を与えてきました。

また富士山は、神のいます場所――信仰の対象でもあります。元来日本人は、自然の中に人知を超えた崇高なものを見出す感覚を持っています。なかでも富士山は、日本人の心に強く訴えかけ、その生活に深く根づいています。

人間の創り出す“文化”は、多くの人々の記憶となり、次世代に受け継がれ、蓄積され形づくられるものです。日本の文化・芸術に、富士山がいかに大きな影響を与えたのか、ここでは多くの素晴らしい芸術作品を通して紹介していきます。富士山が「世界文化遺産」にふさわしい存在であることを、多くの方々にご理解いただければ、大変うれしく思います。

高階秀爾 
大原美術館館長/東京大学名誉教授

高階秀爾 大原美術館館長/東京大学名誉教授 1932 年東京生まれ。東京大学教養学部卒、次いでパリ大学美術研究所に学ぶ。専門は西洋近代美術史。1971 年芸術選奨文部大臣賞、2000 年紫綬褒章、2001 年フランス、レジオン・ドヌール シュヴァリエ勲章、2003 年イタリア、グランデ・ウフィチャーレ勲章。その他国内外にて多数受賞経歴がある。『世紀末芸術』、『日本近代美術史論』、『近代絵画史−ゴヤからモンドリアンまで』、『西欧絵画の近代』、『日本絵画の近代』など多数の著書がある。

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