冨士 芸術と文化の山 6/6
6.衣装に描かれた富士山
打掛けなど衣装の模様に富士山が描かれることも、江戸期には多くありました。日常の華やかな衣装のほか、面白いのは具足――鎧や甲冑、陣羽織、刀の鞘やつばといった、武士の戦闘用具にも富士山が描かれているところです。南蛮胴で作られた具足には、背中に大きく富士の山。武将たちは、「富士」を「不死=死なない」にかけたのでしょう。

豊臣秀吉が愛用したと伝えられる黒黄羅紗(くろきのらしゃ)の陣羽織。三峰型の富士の頂上で御神火が燃えています。戦のとき着る陣羽織ですから、富士のご加護があるよう願いがこめられている。下のほうには水玉模様。この山・火・水の三要素を対比させた大変モダンなデザインも、日本人の信仰と自然に対する鋭敏な感覚の現れといえるでしょう。


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