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映像作品DVD 描かれた霊峰 ART of FUJISAN

認定NPO法人富士山世界遺産国民会議は、今回、NHK「日曜美術館」などNHK美術番組を制作しているNHKエデュケーショナルと共に、古今の巨匠たちが心を込めて描いた様々な「富士山」と、ハイビジョン映像で撮影された美しい「富士山」の姿が織りなす映像作品DVD「描かれた霊峰 ART of FUJISAN」(日本語版、英語版)を制作しました。
そして、この作品を、静岡、山梨両県の世界遺産センターに寄贈いたしました。みなさまにも、ぜひセンターに足をお運びの上ご覧いただけますと幸いです。
きっと富士山の文化的価値を再発見できることと思います。
静岡県富士山世界遺産センターは、2017年12月23日開場予定です。
静岡県富士山世界遺産センターは、2017年12月23日開場予定です。

収録作品の紹介

  • 「富嶽三十六景」 葛飾北斎

    世界一有名な日本絵師・葛飾北斎による多彩な富士の数々。

  • 「富士山図屏風」 谷文晁

    北斎に並ぶ江戸絵画界のスーパースター・谷文晁の描く富士は、中国の皇帝までもが欲しがったという。

  • 「朝陽霊峰」 横山大観

    日本画壇の重鎮・横山大観が描く、朝日を浴びた聖なる山。皇室の宮殿を飾る屏風として制作された。

  • 「平成の富士」 奥村土牛

    横山大観を師と仰いだ画家・奥村土牛が、101歳の時に描いた絶筆。

  • 「富士曼荼羅図」 狩野元信

    狩野元信が室町時代に描いたとされる作品。山を登る人々の姿に、富士が信仰の対象であったことが窺われる。

  • 「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織」

    豊臣秀吉が愛用したと伝えられており、闇の中、金色に輝く富士は火焔をあげている。

  • 「扇面貼交手筥」 尾形光琳

    琳派の巨匠・尾形光琳による作品。三保の松原から見た富士が描かれている。

  • 「富士山図」 富岡鉄斎

    明治から大正にかけて活躍した富岡鉄斎の作品。自ら富士山に登り、その険しさとパワーを感じ、表現した。

お問い合わせ

なお、上映の詳細については、富士山世界遺産センターにお問い合わせください。 山梨県富士山世界遺産センター

「描かれた霊峰 Art of FUJISAN」 によせて

遠く万葉の時代から歌に詠まれ、風土に至るまで、日本人の信仰、畏敬、親愛の対象として広く人々の生活と結びついている。さまざまな宗教行事をはじめ、建築、絵画、彫刻、工芸、文学、演劇などの多くの文化遺産を生み出し、また実際の富士参詣登山や民間伝承、俗信を通じて日常生活にも深く浸透していた。実際、この日本列島に住むすべての日本人は、現実の富士の姿を見たことがなくても、日夜身近にこれら擬富士に接し、またさまざまな芸術や伝承を通じて富士に対する憧れと親しみを養ってきた。
まことに富士山は、日本人の心の故郷であり、文化の源泉であったと言ってよい。
大原美術館館長/東京大学名誉教授
高階秀爾

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