池田直樹さん

声楽家/二期会会員
東京芸術大学卒業、同大学院修了。1980〜81年、文化庁芸術家在外研修員としてミュンヘンに留学、ハンス・ホッターに学ぶ。東京二期会オペラ劇場公演では、モーツァルトの作品を中心に、ワーグナーの作品にも重厚な役で出演し、主要な役柄を見事に演じ分け評価は高い。新国立劇場公演にも多数参加している。演出家としては『チャールダーシュの女王』『フィガロの結婚』の二期会公演、さらには『コシ・ファン・トゥッテ』の新鮮な演出で話題を集めた。その他、サントリー・小ホールでの「二期会創立50周年記念・30日連続演奏会」、毎年恒例の「二期会週間」をはじめ、多彩な演奏会企画でも注目を集めている。
また演劇公演にも積極的に参加し、2004年には、新国立劇場制作『喪服の似合うエレクトラ』(朝日舞台芸術賞グランプリ受賞、出演:大竹しのぶ/堺雅人/他)に俳優として出演、活躍の舞台を広げている。二期会会員、二期会副理事長、二期会コンサート・プランニング代表。
現代を生きる私たち人間の使命として次の世代、22世紀に対して美しい財産を残すことが大事です。法隆寺にしても、高野山にしても世界遺産への登録を果た しましたが、それらの建築物は木によって建てられています。それら建築物は土台にコンクリートを使っていませんから1000年の時を経ても残るのです。し かし、現代の建築物ではそうはいきません。どうしたら、次世紀にすてきなものを残せるのか、本気になって考えなければなりません。
音楽に関しても 同様のことが言えます。本物の音楽は「しつこい」です。日本人は民族性の違いもありますが、特徴として待つことが出来ないのだと思います。だからこそ、こ ういう象徴としての富士山を世界遺産に登録することによって、人類の貴重な財産を次世代に残していきたいのですよね。