岸田敏志さん

俳優・歌手
岡山県出身。シンガーソングライターとして『黄昏』『きみの朝』『重いつばさ』などの代表作を残す一方で、役者としてもドラマ『一年B組新八先生』『渡る世間は鬼ばかり』に出演、またミュージカル『ミス・サイゴン』 『屋根の上のヴァイオリン弾き』 他、数々のステージに立つなど、幅広い分野で活躍。
ごく自然な形であるのに、気品も兼ね備えている。それが富士山だと思います。砂をサラサラと上から落としてできる砂山のような形。あの円錐状の形が、他の山には無い富士山がもつ魅力だと思います。人々が見ていて一番心が落ち着く形ですよね。
初めて実際に富士山を見たのは、中学生の頃でした。雪が積もって青空にそびえ立つ富士山を見て、その神々しさに非常に驚かされました。これが「日本一の山なのか」と感激して思わず「♪あ〜たまを雲のう〜えに出し〜♪」と歌ったのを覚えています。
また、新幹線での移動中に、富士山がよく見えるときには、車内アナウンスでそのお知らせが流れたりするんですよ。何度見ても、その感激は薄れる事はありません。私たちはそういう素晴らしいものをいつも見せてもらえる、もっとそのことに感謝すべきですよね。
しかし、その富士山がゴミでいっぱい‥。考えただけで悲しくなります。
富士山をきれいな状態のままに出来ない事は、感謝すべきものに対する冒涜です。私たちは、今一度、富士山について真剣に考えなければならないのではないでしょうか。そういう機会を持つことが、日本人のモラルについても考える機会になればいいなと思います。
そうして、日本のシンボルである富士山が美しさを取り戻した時、日本人の心が美しさを取り戻す事になるのです。富士山は日本の中心に位置している日本の「こころ」ですからね。