この223マガジンでも紹介した新田次郎の小説「富士山頂」はその後、石原裕次郎主演の映画にもなってヒットした。
富士山レーダーを富士山頂に設置するという国家事業は日本中の注目の的だったのである。
そんな大イベントを郵政省もほっておくはずもなく、翌年の1965年、レーダー設置を記念してこの切手が発売された。
郵政省にはお抱えの切手デザイナーがおり、この作画を担当した大塚均氏もその一人。
主に60年代に活躍され、この切手の他にも東京オリンピック記念の切手、東海道新幹線開通記念切手なども手掛けている。
改めて1964年という年はレーダー設置、オリンピック、新幹線と日本が国家事業で湧きかえった年だったのだな、
とスタンプブックを眺め、感慨にふける。
切手は時代を語る小さな歴史への道標だ。