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銘菓 富士山羊羹

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商品名 富士山羊羹
価格 1,350円(税込)
お問い合わせ 富士の麓で菓子作り
富士菓子匠 金多留満
URL http://www.kindaruma.co.jp/

 

羊羹(ようかん)好きである。
赤坂にある有名老舗菓子店の前を一度たりとも素通りしたことがない。
漱石は羊羹を「一個の芸術品」と称したが、
私にとって羊羹は「お菓子の世界遺産」と言っても過言ではない。

私の幼少時代、近所に叔母が住んでおり、
そこに行くとお茶請けに必ず羊羹が入っていた。
その羊羹を私が美味しいそうに食べるのを見て、
叔母は「この子は珍しいわね、子供のくせに羊羹が好きなのねエ」と
食べる度に言っていたのを思い出す。

三つ子の魂とはよく言ったものだ。
大人になってこの傾向に益々拍車がかかり、
最近では「オヤジのくせに羊羹好き」を自認している。
「羊羹」とはまた随分難しい漢字だが、
「憂鬱」同様、すらすらと漢字で「羊羹」と書ける人は私の周囲には皆無である。

さて、この羊羹、発祥が中国であることはあまり知られていない。
その字の如く「羊の羹(あつもの)」
つまり、羊の煮汁がその語源で、煮込んだスープが固まってできたというのが羊羹のルーツだ。
そんな中国発祥の羊羹は室町時代には日本に輸入されている。
きっとお茶がそうであったようにお坊さんが持ち込んだのだろう。
あくまでも想像の域を脱しないが、お茶と一緒に日本に入った羊羹を、
お坊さんがお茶請けに食べていると想像するだけで愉快だ。

前振りが長くなった。
そんな羊羹を富士山に見立てた逸品を紹介したい。
甘さ控えめ、富士山の部分は、北海道産の厳選した小豆を使用した小豆羊羹、
頂上に積もる雪の部分は手芒羊羹で表現している。
雄大な富士と羊羹。
実に素晴らしい組み合わせだ。
創業は明治44年の老舗の味、お見事です。
御馳走様でした。

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