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富士山プチヒストリア ~富士山と関わった人物録 vol.4

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新版 万葉集 一 現代語訳付き
価格980円
2009年刊角川ソフィア文庫

言わずと知れた現存最古の和歌集『万葉集』。

現存の形に近いものに最後にまとめたのは大伴家持、成立は奈良時代の末頃とされる。
その最古の歌集万葉集には富士山を詠む歌が11首ある。
つまり古(いにしえ)の時代から富士山は歌で詠まれるような憧れの存在であった証だろう。
その中で宮廷歌人山部赤人が歌った代表作がこちらだ。
 
天地の分れし時ゆ
神さびて 高く貴き 駿河なる 富士の高嶺を
天の原 振り放け見れば
渡る日の 影も隠らひ 照る月の 光も見えず
白雲も い行きはばかり
時じくそ 雪は降りける 語り継ぎ
言ひ継ぎ行かむ 富士の高嶺は
 
富士山の雄大さ。神代より言い伝えられてきたこの神々の居ます聖なる山を、
我々もまた後世へと語り継いでゆこう。と歌っている。

その山部赤人の想いはしっかり現代を生きる私たちに引き継がれている。
万葉集と言うと敷居が高く、難解なイメージがあるが、
現代訳付きのものもあり、実はとてもとっつき易い。
ぜひ一読をお勧めしたい。

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