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トリフジ(撮り富士)スペシャルvol.1

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撮影者 武藤裕也
作成年 2012年作品
公式HP http://photo-muto.com/

 

先日開催された富士山ナイトで参加者の方から届いた写真を紹介いたします。

タイトルは「トリフジ(撮り富士)スペシャル」。
写真の講評は不肖、223マガジン編集長の私がつとめます。

まず一回目は東京カルチャーカルチャーでのイベントで
公開したこの富士山。
この写真、何が良いって、やはりこの笠雲に尽きる。
構図的には一見すると見慣れた景色に見えるが、
作家の意図はかなり計算され尽くした境地にあると推測できる。

毎日私達の目の前にその勇姿を見せてくれている富士山だが、
誕生以来10億年おそらく同じ姿を見せた日は一日たりとてない。

富士山単体でもそのシャッターチャンスは限定的にならざるを得ない中、
作者は笠雲が富士山にかかる一瞬を逃すことなくシャッターを押している。
きっと満足のいく一枚だったのだろう。
その気概が伝わってくる。

今後もイベントで使用した写真を223マガジン上に定期的にアップして、
コメントをお付けします。

みなさんと一緒に楽しい富士を観賞していきましょう。

富士日記

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タイトル 富士日記
著者 武田百合子
出版社 中公文庫

 

私にとって旅の友はたいていが本。
読書と旅は切っても切れない関係だと思う。

列車の中、飛行機の中、絶えず本を読んで過ごす。
普段忙しくて、なかなか確保できない読書の時間も
旅の途中には一気に時間の余裕が生まれる。
この連休中も旅したのだが、駅前の大きな本屋で買った本がこれ。

「富士日記」武田百合子著。

この日記は、作家武田泰淳の妻である著者が
昭和40年代の武田一家の富士山(富士桜高原)での生活を
ひたすら書きつづったパーソナルなもの。

最近では日記の手法もブログやフェイスブックにかわっている。
しかしこの時代にここまでどうでもいい日常を描いた作品も珍しい。
そしてどうでもいい日常が、これほど面白いのもまた珍しいと思う。

文学にもいろいろなジャンルがあるが、日記文学なるものが存在するとしたら、
日本日記文学の頂点がこの作品だと思う。
いやそれほど面白く最高なのだ。

映画もそうだろうが、面白い作品に出会うと本当に得した気分になる。
それが映画に例えると偶然入った映画館で上映中の映画が最高だった感じ。
まさにこの本がそんな一冊。

上・中・下巻と、どの巻でもいいから
適当なページを開いて好きなところを読んだとしても面白い夫婦日記。

お勧めです。

富士山と花見 番外編 「富士山にかかるバラの虹」

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* 写真提供:富士市

我国で最も古い物語が「竹取物語」らしい。
竹取の翁(おきな)が、竹の中から3寸余りの少女を授かり、
かぐや姫と名付け、美しく成長した。
姫は5人の貴公子から求婚されながらも、月の世界に帰っていく。

富士市には少し内容の違う「竹取伝説」が残る。

ある日のこと、翁が裏山へ竹を取りに行くと、1本の竹の根元が光っていた。
美しい娘に成長したかぐや姫は
真剣な愛を受けた国司と一緒に暮らすことにしました。
ある日、かぐや姫は突然国司に、
「今まで暮らしてきましたが、私は富士山の仙女です。
  富士山に戻らなければなりません。心残りですが、おいとましなければなりません。」
その後、悲しみにくれた国司は池に身を投げてしまう。

そんな伝説の残る富士市には
「かぐや富士」という
富士市オリジナル品種のバラがある。
その「かぐや富士」をはじめ、
国内外の41品種約2000株のバラが植栽されているのが
今回の旅の目的地「富士市広見公園」である。

この公園には、「富士にかかるバラの虹」をテーマに制作されたバラ花壇があり、
これから富士山とバラの競演が見頃を迎える。

富士市広見公園

住所 富士市伝法字土手内46-1
お問い合わせ 0545-55-3553
(財団法人富士市施設利用振興公社 公園事業課 管理事務所)
連絡先 0555-62-5587
詳しい情報 http://www.fuji-kousya.jp/park/

富士山と花見 番外編 「チューリップ & more」

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* 写真提供:社団法人 やまなし観光推進機構

富士山の冠雪は観る場所により変わり、
山梨県側からの方が時期的に早くから遅くまで長く観ることが可能。

山梨県側は10月下旬~6月下旬。
静岡県側は11月中旬~6月中旬が白い帽子をかぶった富士山の目安。

桜が散った後のなんとなく寂しい日々が過ぎると、
太陽が昇ると、気温はどんどん上昇。
多くの花が春を謳歌し始める。

ここ山中湖畔にある標高1000メートルの高原。
ここにある「花の都公園」の30万平方メートルに及ぶエリアでは
これから初夏に向け、たくさんの花が開花を迎える。

5月の山麓の春を彩るのはチューリップ。
ゴールデンウイークから中旬ぐらいまで74品種20万本のチューリップが咲く。
山梨の魅力は何と言っても年間日照時間が日本一で降雨量が少ないということ。
太陽を目一杯浴びたチューリップが咲く様子はまさに芸術。
山梨はいつも天気がいいというイメージがある。

チューリップと菜の花が終わると、
6月中旬から150万本のキカラシ、かすみ草ピーとフランス菊と続く。
私たちにとって目の保養にはうってつけのエリアである。

花の都公園

営業日 12月1日~3月15日の火曜
(祝日の場合は営業)
所在地 山梨県山中湖村山中1650
連絡先 0555-62-5587
詳しい情報 http://www.hananomiyakokouen.jp/

富士山と花見 番外編 「富士芝桜」

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* 写真提供:社団法人 やまなし観光推進機構

 

 

昨年もここを旅した。
季節が巡り、また美しい芝桜の季節がやってきた。

昨年はこの芝桜が咲く直前に震災があり、
正直、純粋に桜を楽しむ気分ではなかった。
まだまだ日本は「復興」したとは決して言えない。
しかし、美しい芝桜を見ると傷ついた心も少し癒える気がする。
思えば昨年は開催時の芝桜は開花不良だった。

もちろん 震災とは全く関係ないことだが、
人々が流した涙が桜の満開を抑えたようにも思えた。

今年も実は開催が危ぶまれたが芝桜が順調に生育したそうで、
計画通りに平成24年4月21日(土)から5月20日(日)に
「富士芝桜祭り―特別鑑賞会―」が開催されることになった。
とりあえず開催決定を喜びたい。

ここを訪れると視界が全てピンクになる錯覚におちいる。
それぐらい咲き誇る景色は圧巻だ。
地上に咲く桜をGWは見に行こう!
 

富士芝桜祭り―特別鑑賞会開催概要

日程 平成24年4月21日(土) から 5月20日(日)
場所 富士本栖湖リゾート
(山梨県南都留郡富士河口湖町本栖212)
営業時間 AM8:00 から PM5:00
入園料 おとな(中学生以上) 500円
こども(3歳以上) 200円
駐車場 約1,000台
(普通車500円・大型車2,000円)
詳しい情報 http://www.shibazakura.jp/

富士山と桜9番勝負 九番バッター「富士ビューホテルの桜」

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所在地 山梨県南都留郡富士河口湖町勝山511
桜の見頃 4月中旬
詳しい情報 富士ビューホテル
TEL 0555-83-2211
FAX 0555-83-2128

* 写真提供:社団法人 やまなし観光推進機構

 

その名も「富士ビュー」!
まさに富士山を眺望するために建てられたのが
老舗中の老舗「富士ビューホテル」。

その富士ビューホテル自慢は三万坪の庭内。
四季折々の花や木や、野鳥の戯れる自然と身近に触れ合うことができる。
そして桜を眺めながらの富士山鑑賞。
樹齢80年以上になるしだれ桜の大木が立ち並び、
とにかく圧倒的な美しさと富士山を一緒に観賞することができる。
さらにしだれ桜以外にも、吉野桜、ソメイヨシノ、富士桜など、
合わせて300本以上の桜を楽しむことができる。

それにしてもこのしだれ桜の優美さは一体なんなんだろう!
艶やかで美しく、どこか妖艶な雰囲気もあり
見る者の心を一瞬で魅了してしまう。
花の色はソメイヨシノよりも赤が強い。
満開時、紅色の花が空を覆わんばかりに見事に咲き誇る姿は圧巻だ。

ちなみに、桜の花言葉だが、
桜の種類によって細かく分かれているようだ。
桜もいろいろならその花言葉もまたいろいろ。
しだれ桜は、「優美・ごまかし」
ちなみに
八重桜は、「豊かな教養・善良な教育・しとやか・理知に富んだ教育」
ソメイヨシノは、「高貴、清純、精神愛・優れた美人」
ヤマザクラは、「純潔・高尚・淡白・美麗」だそうだ。

これにて富士山と桜を巡る旅「9番勝負」は終わり。
行きそびれた桜はないか?
只今検証中。

プレ富士山ナイト開催しました

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檀上左より 
テリー植田(東京カルチャーカルチャー)、松尾里央(富士山アナリスト)、私、 武藤裕也(写真家)、林敏弘(写真家)

この223マガジンでも告知させて頂いていた
プレ富士山ナイト@東京カルチャーカルチャーが4月12日無事開催された。

富士山を世界遺産にするための活動の一環として
東京カルチャーカルチャーが企画し、
223マガジンの編集長である私が司会を引き受けた。

12日は平日にも関わらず大勢の富士山ファンで会場は一杯になった。
この223マガジンをご覧になって参加して頂いた方も多く見受けられた。

また檀上にはダブル司会ということで
富士山アナリストの松尾里央さんも出演し、
富士山が今後もたらす経済効果についてレクチャーして、会場を沸かせた。

さらに写真の力で富士山世界文化遺産登録を応援する目的で来場している
客席の前の大型スクリーンに次々と富士山写真が投影され、
その写真の美しさに会場からは感嘆の声が上がった。

このイベントはあくまでもプレ。
次回は7月1日にいよいよ富士山ナイト(休日なので昼間開催の可能性もあり)がスタートする!

今回のテーマは富士山を撮影する「撮り富士」だったが、
次回のテーマは何富士になるかは、こうご期待!
ぜひ7月は皆様もご参加お待ちしております。
徹底的に富士山を熱く語り、富士山世界遺産を一緒に応援しましょう!
 

今回参加して頂いた団体その他

・富士山100人登りたい(ツイッター http://twitter.com/#!/fuji100san
・写真の力で富士山を世界遺産に(NPO法人フォトカルチャー倶楽部 http://www.npopcc.jp/aaa/fujisan/index.htm
・ハクバ写真産業http://www.hakubaphoto.jp/corporation/

主催:東京カルチャーカルチャーhttp://tcc.nifty.com/

富士山と桜9番勝負 八番バッター「精進湖の桜」

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所在地 山梨県南都留郡 富士河口湖町精進湖畔
桜の見頃 4月中旬
詳しい情報 0555-87-2651
(精進湖観光協会)

* 写真提供:社団法人 やまなし観光推進機構

 

花を美しいと感じる心は万国共通。これはまちがいない。
しかし花を美しく感じ、その花を鑑賞しつつ、花見で一杯を好むのはどうやら日本人だけだそうだ。
「そんなことない、私達が花見をしていた隣ではどちらかのお国の人たちで大いに盛り上がっていた。」
という声が聞こえてきそうだ。

しかしそれは日本に住む他のお国の人のお話。
つまり「郷に入れば、郷に従え」というもの。
少なくとも日本以外の国で桜の木の下で酒盛をする習慣は皆無らしい。

花見が始まった時期は奈良から平安時代と言われている。
奈良時代は桜より梅のほうが好まれていた。
これは残された万葉集からも明確。
梅から桜へのシフトはその時代に進み、古今集になると梅より桜の登場が増える。

さて、
話を「花見で一杯」から「富士見で○○」に行こう!

今回の富士山&桜の名所は精進湖湖畔。
この湖は標高902メートルの富士山麓にあり、周囲6.8キロメートル、
深さ16メートルほどで富士五湖では一番小さい湖。
またこの湖は「逆さ富士」がはっきりと見られることで有名。

1895年(明治28)に、湖畔にホテルを建てたイギリス人
ハリー・スチュワート・ホイットウォーズによって、
ヨーロッパに避暑地「ジャパン・ショージ」の名で紹介され、
いち早く国際的なリゾート地として知られるようになった。

県営駐車場で車を降りると、そこは絶景富士山&桜のスポット。
ぜひ「ジャパン・ショージ&サクラ」を堪能して欲しい。

富士山と桜9番勝負 七番バッター「山伏川の桜」

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所在地 山梨県中巨摩郡 昭和町河東中島
桜の見頃 4月中旬
詳しい情報 055-275-8154
(昭和町企画財務課)

* 写真提供:社団法人 やまなし観光推進機構

 

桜の開花は桜前線北上とともにもたらされる。
静岡に続いて山梨にも春が桜とともにやってきた。
見逃せない富士山×桜の絶景ポイント情報。

さあ、ここからは山梨編に突入。
山梨桜前線をお伝えしていこう。

最初のご紹介は「山伏川の桜」だ。
山梨県が独自に平成6年度に選定したのが「新冨獄百景」。
山梨県の各所で四季折々の富士山が盛り込まれており、
この山伏川の桜もその際選定されている。

川の両岸に600メートルにも及ぶ桜が植えられている。
この桜を植えたのはこの町の老人会。
老人会の丹念な桜への情熱をそのまま町が受け継いだそうだ。
まさに「市民による持続可能な桜育て」と言える。

満開の桜越しの雪を頂いた冨士山見物は
今週末ぐらいが見頃だろうか。

富士山と桜9番勝負 六番バッター「桜公園の桜」

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所在地 静岡県御殿場市中畑2096-45
桜の見頃 開花中
詳しい情報 0550-88-3199
御殿場市都市公園

* 写真提供: ワイルドベンチャー

 

桜はただ美しいだけでなく、
人々の暮らしや生き方、そして人を優しく支えてきた深い歴史がある。

「潔く散る」というイメージが、
武士とその武士道とも言える精神の象徴としてとらえられてきた。
「花は桜木、人は武士」の言葉のとおり、
花なら、人なら 1番と思っていたものを上げ
「仮名手本忠臣蔵」で一般に広く知られるようになった
とも言われている。

2011年の東日本大震災被災地
岩手県陸前高田市で
津波により根ごと流されながらも
なお花を咲かせ続けた中学校の桜の姿に
多くの人が生きる希望を与えてもらった。

さて
桜公園で桜富士を眺めよう。
その名の通り、今の季節 桜が咲き誇っている公園である。
場所は富士山スカイラインの途中。

ぜひ桜と富士山のコラボレーションを堪能して頂きたい。

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