田中章義さん

歌人/国連環境計画/地球環境平和財団「地球の森」推進委員長
1970年4月19日生まれ、静岡県静岡市出身。東京都立日比谷高校、慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学1年生のとき、第36回角川短歌賞を受賞。以後創作活動をはじめ、角川書店・講談社・マガジンハウス・東京新聞出版局・文春ネスコ・サンマーク出版・PHP研究所・岩波書店などから単行本出版。 2001年国連WAFUNIF親善大使に就任。JICA「21世紀のボランティア事業を考える会」検討委員、国連環境計画・地球環境平和財団「地球の森プロジェクト」推進委員長、ワールドユースピースサミット平和大使などを務める。
私は静岡県静岡市の出身なのですが、実家の二階からは富士山をとてもきれいに眺めることができます。ですから実家に帰ると、まずは富士を見ることからはじ まり、それが一つの楽しみにもなっています。また、歩いて程近いところに浜辺があります。そこで私は幼い頃、ソフトボールをしていたのですが、そこから眺 める富士もまた一味違ってとても素晴らしいです。練習をしていても頑張ろうという気にさせられていました。
中学1年のときに父の仕事の関係で東京 へ引っ越したのですが、都心からは富士を眺めることができなかったのにがっかりしたのを覚えています。それでも東京の人にもやはり富士山というのは親しま れているのだとよく感じます。やはり東京の文化とよく溶け込んでいるのでしょうね。20世紀という時代は、富士山は日本の山でした。しかし、現在の21世 紀は富士山を世界の山にしなければなりません。そのために、日本人のみならず、世界の人の手によって富士山を大事にしなければなりません。ですから、今回 の富士山を世界遺産にするプロジェクトは日本人だけではなく世界の人も注目しているものだと思います。私は今、一人の歌人として万葉集のように富士山を世 界遺産としてだけではなく、言葉遺産として大切にしていきたいと思っています。「葉っぱ」や「樹木」を合わせて作った言葉を埋め合わせたら素晴らしいもの に仕上がると思います。