今中大介さん

元自転車ロードレーサー
アマチュア時代にツール・ド・北海道3勝、国体ロード3連覇など国内タイトルを総ナメにし、イタリアの名門プロチーム“ポルティ”と契約。日本人として初めてツール・ド・フランスに出場した。現在はスポーツバイクを輸入する(株)インターマックスの代表を務める。スポーツサイクルアドバイザーとしても活躍中。
山梨に住む私の家からは、富士山がよく見えます。だから、朝、外に出て、富士山が見えるかなと確認するのが日課になっています。また、それが、忙しい日々の中で、四季を感じる瞬間ともなっています。雪をかぶった富士山の姿をみて、今年も冬がやってくるなあなんて思うのです。そんないつも近くにある富士山ですので、改めて考える機会ってなかったですね。だから、今回の話は、富士山のことを改めて考えてみるいい機会でした。
私は、富士山やその周辺を自転車で走ります。富士山を自転車で楽しむのはお勧めです。自転車は、本当にいいですよ。健康にもいいですし、環境にもいい。また、いつもと違った目線から景色を見ることができ、普段、気づくことが出来なかったものに出会うことが出来ます。まさに、一石二鳥。そんな三拍子揃った自転車で、ゆっくり景観を楽しみながら、富士山を堪能してみるのはいかがでしょうかね。私も、スピードよりも、景色を楽しんでいます。また、途中で疲れたりしたら、茶屋で、休憩して、ゆっくりとした時間を過ごすのも好きな時間の一つです。
富士山の素晴らしさは、あの形が人の手によってつくられたものではなく、富士山自身の自然の営みのなかで形成されたものだということだと思います。私は、ヨーロッパにいたとき、多くの世界遺産に出会いました。とても美しいものばかりで、本当感動するようなものがたくさんありました。そして、景観を守るために、ヨーロッパでは多くの決まりがあって、その周辺や街全体においても、例えば、当たり前のように自分のゴミは自分で持ち帰ります。そういうことができるのは、人々に自分たちの宝物を守っていくという意識や、文化が根付いているからだと思います。富士山もそういうふうに守られていったらいいなと思いますね。