細川佳代子さん

NPO法人勇気の翼インクルージョン2015 理事長
公益財団法人スペシャルオリンピックス日本 名誉会長
上智大学卒業後、71年に細川護煕氏と結婚。政治活動を支える一方でボランティア活動に取り組む。1994年「スペシャルオリンピックス日本」を設立。知的障害のある人の自立と社会参加を日常的なスポーツを通して実現する活動を行う。その理念を広げるため啓発活動をしながら、2007年には、障がいの有無に関わらず全ての人がその人らしく活き活きと暮らせる“インクルージョン(包み込む共生)社会の実現”を目指し「勇気の翼インクルージョン2015」を設立した。また、知的障害のある青年たちを追ったドキュメンタリー映画『able』、『HostTown』、『believe』、『幸せの太鼓を響かせて〜INCLUSION〜』をこれまで製作・総指揮。5作目の映画となる『天心の譜』は2012年秋より東京・大阪・横浜、名古屋等で上映された。
著書 「花も花なれ、人も人なれ 〜ボランティアの私〜」角川書店
日本の宝の第一は皇室、第二は富士山。これが私の偽らざる思いです。
万一、皇室がなくなる時は、日本民族の滅亡ですし、富士山を見て、日本に生まれた喜びと幸せを感じない人間が多くなった時も、日本の危機だと思うからです。

私は満州生まれですが、一歳の時から神奈川の鵠沼で育ちました。一年中海が私の遊び場でした。夕陽が富士山の後方に沈むのを眺めながら、家路についたものです。季節、天気、雲、風によってその景色は刻々と変わりました。富士山は常に私を遠くから見守ってくれていました。それが当たり前と思っていたのです。

ところが、結婚して遠く九州に引っ越してからは生活が一変し、今では飛行機や新幹線に乗った時に運良く富士山に逢えると、私は一瞬にして子どもにかえり、奇声をあげて喜び、日本に生まれた幸せに胸が一杯になるのです。

私にとって富士山はやっぱり世界一の山です。