湯川れい子さん

音楽評論家/作詞家/翻訳家
東京都目黒で生まれ、山形県米沢で育つ。
昭和35年、ジャズ専門誌 『スウィング・ジャーナル』 への投稿が認められ、ジャズ評論家としてデビュー。その後、17年間に渡って続いた 『全米TOP40』 (旧ラジオ関東・現ラジオ日本)を始めとするラジオのDJ、また、早くからエルヴィス・プレスリーやビートルズを日本に広めるなど、独自の視点によるポップスの評論・解説を手がけ、世に国内外の音楽シーンを紹介し続け、今に至る。
また、作詞家としては、代表的なヒット曲に 『涙の太陽』、『ランナウェイ』、『ハリケーン』、『センチメンタル・ジャーニー』、『ロング・バージョン』、『六本木心中』、『あゝ無情』、『恋におちて』などがあり、「FNS歌謡祭音楽大賞最優秀作詞賞」、「JASRAC賞」、「オリコン トップディスク賞作詞賞」など、各レコード会社のプラチナ・ディスク、ゴールド・ディスクを数多く受賞。NHKで放映された手塚治虫アニメ主題曲『火の鳥』、WFP(国連食糧計画)支援のゴスペル曲『きずな』がスペシャルオリンピックス日本のサポート・ソングになり、話題を呼ぶ。またディズニー映画「美女と野獣」「アラジン」「ポカホンタス」「ターザン」などの日本語詞も手がけている。
著書には「エルヴィスがすべて」(ブロンズ社)、「湯川れい子の幸福へのパラダイム」(海竜社)、「幸福への共(シンク)時性(ロニシティ)―もっと豊かにもっと健康に生きるための26章」(海竜社)、「幸福への旅立ち(マハーサマーディ)―人生を完璧なものにするための20章」(海竜社)、「幸福になれる結婚―もっといい男(ひと)にめぐり逢いたいあなたへ」(大和出版)、「湯川れい子の今夜もひとりかい」(共同通信社)等があり、2004年10月には、聖路加国際病院名誉院長・理事長の日野原重明氏と共に、音楽が持つ根源的な力を医学、精神、芸術等様々な角度から分析し、分かりやすく解いた初の対論集 『音楽力』 (海竜社)が発売され、既に八版目に入っている。
また、2005年12月には、音楽評論家生活45年、作詞家生活40年を記念して、「湯川れい子のロック50年」(株式会社シンコーミュージック・エンタテインメント)が出版された。
富士山への想い

東日本の大震災いらい、「櫻、きっと咲く」という想いは、日本人にとっての強い団結と希望の象徴として、誰の心の中にも存在する言葉であり、風景であり、約束なのではないでしょうか。

その櫻をご神木とする神様が、富士山をご神体とする木花咲耶姫という女神様です。富士山本宮の浅間大社(静岡県富士宮市)をはじめとして、日本国内約1300社の浅間神社に祀られて、いつも優しい微笑みをたたえながら、私たちを守護して下さっている、私の大好きな神様なのです。

そんな想いから、私は「富士は日本のお母さん」(望月吾郎作曲、湯川れい子作詞)という歌を作ったのですが、「いや、富士山は日本のお父さん。男性的なイメージだよ」と仰る方もいます。

静岡県沼津市の名誉市民であり、ノーベル文学賞の審査委員でもあった世界的な文学者の芹沢光治良先生は、中学生の頃、生きる自信を失くして入水しようとされた時、「待て!」と富士山から太い声をかけられて、自殺を思いとどまったという話を読んだことがあります。

別に男性でも女性でも、富士山それ自体が、私たち日本人にとっては「目に見える守り本尊」だと思うのです。

富士山を仰ぎ見ることで、自分の生き方を正し、生きる力を頂くことが出来る、まさに日本人の命の象徴としての霊力を持ったお山。そのお山が、世界の文化遺産になるとしたら、私たち日本人の精神性そのものが、世界にとっても貴重な文化として認められたことになるのではないでしょうか。

こんなに嬉れしく有り難いことはありません。