宗次郎さん

オカリナ奏者
群馬県館林市出身。陶製の笛オカリナの第一人者。1985年、レコードデビュー。1986年のNHK特集「大黄河」の音楽で一躍脚光を浴び、人気アーティストとしての地位を得る。その後、毎年オリジナル・アルバムをリリースし、アルバム発売に合わせて全国各地でコンサートツアーを実施してきた。1993年には、アルバム「木道」「風人」「水心」の自然3部作で、第35回日本レコード大賞<企画賞>を受賞する。常に自然との関わりの中で土とのふれ合いを大切にし、コンサート、作曲、創作活動を続けている。2007年8月1日、2年振りのオリジナル・アルバム「土の笛のアヴェ・マリア」を発売。
―富士山はみんなの心にあるー
私は群馬出身ですが、実家の縁側から、富士山をみることが出来たんです。幼い頃、真冬の透き通った朝の空気の中で、一番遠くに美しく見えるのが富士山でした。きれいで、澄んだ空気の中でしか見られない。今思うととっても贅沢ですね。そんな富士山がきれいに見えたときは、とても晴れやかな気持ちになるんです。まるで、まっさらな青空を見ているようなスッキリとした気持ちになりました。
それに、富士山って様々な姿を見せてくれると思うんです。優しい表情の時もあるし、恐ろしい表情の時もある。私は、ある日に見た富士山が忘れられません。悪天候の中、真っ暗闇の中で雷が鳴った。その瞬間に、雄雄しい富士山のシルエットだけが浮かび上がってきたことがあったのです。美しいと同時に、富士山の勇ましさを感じた瞬間でした。
時は過ぎて、今、新幹線の車窓から眺める富士の裾野も雄大です。また、中央高速から眺める富士を見つけた時の喜びもひとしおです。どこにいても富士山を見つけたときは、喜び・感動を感じることができるのです。
私は、富士山の近くで、コンサートをすることもよくあります。堂々とした富士山を後ろに、オカリナを演奏すると、富士山に守られ、抱かれ、ゆったりとした気分で演奏することができるのです。


―富士山はみんなの心の中にあるー
富士山は、多くの人々の心の支えなんではないでしょうか。