片山右京さん

元F1パイロット/登山家
神奈川県出身。F1に6年間連続参戦、日本人最多出場を記録すると共に、1994年、当時の日本人予選最高位である5位を記録。1999年ル・マン24時間耐久レースでは日本人チーム初の総合2位の獲得に貢献し、2000年には国内GT選手権でも1勝。2005年パリダカではクラス3位入賞。また、2007年1月には、ユーロミルホーダカールラリー2007に世界初のバイオ燃料100%で出場。総合68位で完走した。
現在は、レーシングドライバー・登山家・大阪産業大学工学部客員教授として活躍。
富士山って僕にとって、とても身近なトレーニング場なんです。陸上選手が、普通に競技場に練習しに行くでしょ。そんな感覚で、ちょっと体を慣らしに、富士山に登るんです。普通の人がジョギングに行くような感覚です。それに、毎年挑戦しているヒマラヤ登山のための初期順化のためには富士山は最適なんです。日本で一番高い場所で走り込みとかして体を高所に耐えられるように鍛えるんです。だから、今までで、数え切れない程、富士山に登っていますよ。
そんな訳で富士山がすごく身近な存在なので、今回このお話を頂いて、改めて富士山について考える機会となりました。いつもお世話になっている富士山に、何か恩返しが出来たら嬉しいなと思った訳です。
多くの人にとって富士山に登るのってちょっとしたイベントみたいなもののようです。それって、僕にとっては、すごく意外なんですよ。でも改めて考えると、富士山にはさまざまな魅力がありますからね。そんな富士山にみんな一度は登ってほしいですね。そして、それぞれの富士山の魅力を発見してほしい。でも、富士山をなめてもらっちゃ困りますよ。富士山は恐ろしい面ももっていますからね。しっかり準備をして登ってください。
僕は、四季すべての富士山に登ったことがありますが、一番お勧めなのが「秋」の富士山かな。人も少なくて、すごく静かで、空気も澄んでいて。富士山っていつも違う顔を見せてくれるんですよ。一度として同じ顔を見せることはない。同じ形の雲が無いのと一緒。だから何度登っても飽きることはないですね。そんな富士山が世界遺産になったら本当に嬉しいことだと思います。応援しています。