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秋の夜長富士山読書月間2013 その十

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出版社 岩波文庫
著者 太宰 治
価格 567円(税込)

 

「富士には月見草が良く似合ふ」の一節で知られる
太宰治の『富嶽百景』(ふがくひゃっけい)は
太宰本人が1938年破滅に向かう生活を立て直そうと
富士山に向かった際の紀行文である。

その富士山逗留を勧めたのは井伏鱒二である。

「走れメロス」があまりにも有名過ぎて、
その影に隠れがちなこの短編の本文中には
「十一月に入ると、もはや御坂の寒気、耐えがたく」とある。

きっと秋深まる今頃、真っ白に雪化粧した富士山を前に、
太宰は火鉢に手をかざして執筆したのだろう。


2009年に生誕100年を迎えた
太宰治の根強いファンは多い。
その生誕100周年を記念し、
太宰治検定なる検定試験もスタートしている。
真の太宰ファン(ダザイスト)を目指すイベントとして
大いに盛り上がっているそうだ。

まだこの「富嶽百景」をお読みでない方も
もしかしたら家の本棚には「走れメロス」があるかもしれない。

ぜひ一読をお薦めしたい。

探せ!本棚を!

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