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夏のスーベニア その二

「夏の計画」で書いたようにこの夏、吉田の火祭りに行ってきた。想像を千倍超えた素晴らしい祭りだった。想像を超えたと軽々しく感想を書くこと自体間違っているように感じられる。火を焚くことは神霊の送迎や火による清めなどの意味があるのは物の本を読んで知ったかぶってはいたが、百聞は一見の言葉の通り、目の前に現れた光景はまさに神々しく荘厳そのもの。火そのものが神に見えた。

以前スペイン北部、サン・キンティ・デ・メディオナ(Sant Quintí de Mediona)で行われる火祭りを見たことがあった。カタルーニャ地方の伝統行事で、コレフォックはカタルーニャ語で「火走り」を意味する。悪魔の衣装を身にまとった参加者が松明や花火を手に、街中の狭い通りを練り歩くのが見どころだ。

地域も伝統文化も異なる二つの祭りを比較しても意味がないのは重々承知の上で敢えて書くと、やはり祭りというのはその祭りに参加する、そしてその祭りを見る人のDNAが深く関係している。同じ火でも吉田の火祭りは心に響いてきて、最後は熱狂し、言葉を発してしまうのである。

いい夏の思い出とともに、瞼の奥にはまだ炎が残っている感じがする。

写真 本人

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