禊所の案内より抜粋
古来よりここから先は、富士山の聖域とされていました。
これより先へ向かう道者は大正期頃よりここでお祓いを受け、身を清めてから山頂を目指しました。
そのため、この禊所は「オハライサン(お祓いさん)」とも呼ばれていました。
集合場所から車で移動し、標高1,450メートルの「馬返し」に到着。
ここからは「乗ってきた馬を返す」ほど斜面が急になることを表している。
しかも、ここは俗世間と聖域である富士山を繋ぐ「結界」でもあった。
そんな緊張感のある雰囲気が、眠気の残る体をピリッと覚醒させてくれる。
登山を前に、参加者全員でラジオ体操をして、いよいよ出発。
「禊所」(みそぎじょ)と呼ばれる場所を過ぎ、さらに10分ほど歩くと
「一合目」と書かれた案内が見えてくる。
この「一合目」という響きがちょっと新鮮だ。標高は1,520メートル。
「そうか、ここがやっと一合目なのだ!」という感慨がよぎる。
案内の後方には、朽ちそうな木造の建物がある。
そこには「鈴原天照大神社」と書かれている。もちろん扉を閉ざしている。
かつてここに大勢の参拝者が訪れたに違いない。目を閉じると、
そんな賑わいが聞こえてきそうだ。
道幅は極端に狭くも無く、斜度もほどほどで歩き易い。
さらに、何と言っても周りの緑の深さが素晴らしい。
景色を十分に楽しみながら、仲間とも会話が弾む。
(続く)