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ラベルの中の富士山 その一

  ミネラル1.jpgのサムネール画像

 ラベル画:水平 譲氏【東京美術学校卒】 

 

 

 「223マガジン」を書こうと思ったきっかけは、この(写真の)ラベルにある。

「芸術」は美術館や画集の中だけでなく、身近なところにも豊富にある、

という私の持論に沿って、そのようなアートをご紹介しよう。

 

「富士ミネラルウォーター社」のラベルである。

富士ミネラルウォーター社の歴史は、そのまま日本のミネラルウォーターの歴史と重なる。

1929年(昭和4年)創業の堀内合名会社が富士身延鉄道株式会社(現JR東海 身延線)所有の

山梨県下部(しもべ)で湧出する名水を利用し、販売を開始している。

日本初のミネラルウォーターの誕生である。

さらにこの年、富士山麓電気鉄道(現富士急行)が、大月~富士吉田間を開業。


これによって富士山が身近になり、現在の富士登山の大動脈ともなった。

奇しくも同年、東京と下関を結ぶ特急列車に鉄道省の公募により「富士」と「櫻」という名が付けられ、

「富士」の名前が一層脚光を浴びることになる。

まさに富士尽くしの年、このラベルで国産初の卓上水を売り始めた。

そんな富士ミネラルウォーター社のお宝ラベルを数回に渡り、紹介していくので、ぜひお楽しみに!

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