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富士山プチヒストリア ~富士山と関わった人物録 vol.3

役小角(えんのおづの、えんのおづぬ など)に関する記録の中で、
正史と呼べるものは平安時代初期の史書「続日本紀」の一つだけ。
ほとんどのことが伝説の中にある役小角は日本史上、
最も奇妙で神秘的な人物の一人に挙げられる。

縛につき、伊豆に流された役小角は
夜な夜な空を飛び駿河国の富士山に登って修行を重ねたという伝説がある。
もちろん今の時代なら「そんな、人が空を飛ぶなんて」と笑い飛ばす話も、
怨霊を恐れる古代日本のことである。
おそらく多くの人たちがこの修業の話を信じ、
役小角を山岳修行者として、相当な影響を受けたのではないだろうか?
 
図案は以前読んだ黒岩重吾の作品。役小角を題材にしたフィクションだが、
物語に引き込まれるうちにこの修行者がとてもリアルになってくる。

富士山ファンならずとも古代史通にはぜひ一読をお勧めしたい。


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役小角仙道剣(新潮文庫)
黒岩 重吾【著】

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