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恒例!秋の読書月間 その4「レンズが撮らえた幕末明治の富士山」

magazine20151028

この写真集の特徴は、富士山の写真を収集しているところ。
幕末から明治にかけて撮られた写真を、全国各地から集めている。
いつの時代も変わらぬ姿を見せてくれる富士山。

しかし幕末の時代、明治の時代の写真を通じて見る富士には、
その時代の表情があるように思える。
写真が古い云々ではない、時代の空気とでも言えばいいのだろうか?
また、貴重な古写真で見る富士山への信仰と挑戦の記録が、
この写真集から見ることができる。

改めて、富士山への登頂は、今の時代以上に「挑戦」の色合いが強い。
それは、登山ギアとかルートとかいう問題を超越した富士山の存在が、
今の時代よりはるかに、「信仰」色が濃いものだからである。
その濃さが誌面からにじみ出ているように感じる。
体裁は「写真集」でも、そのページから読むことのできる情報は、
単なる写真集の領域ではない。


著者:小沢健志 高橋則英=監修
価格:1,728円(税込)
発行:山川出版社 (2013年刊)

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