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暖簾は風に揺れて(連載vol.505)

この連載でも取り上げたことがある富士そば。

立ち食いそばの名店。
その富士そば、名前も“富士”なら暖簾も“富士”。

蕎麦好きの僕としてはかなりヘビーローテーションな一軒。

少し忙しいランチ時間帯、大体この駅前には富士そばがあるな、この街角にはと記憶にすり込まれている。

注文してから店を出るまで15分以上かけたことはない(あまり早食いはよくないけど)。

ある日、街を歩いていたら目に飛び込んだのがこの暖簾。
白い布にくっきり富士が浮かんでいた。
もちろん即店に入り、夏の定番、冷やしキツネを注文した。
小田急の「箱根そば」もかなり好きだか、回数はと言えば、やはり名前に惹かれて富士そばを選んでしまう。

立ち食いそばのルーツは部活の帰り道、チームメイトと家まで空腹が我慢できずに飛び込んで食べたかけそばの大盛り。
200円でお腹一杯になった思い出が立ち食いそばを食べるたびに記憶が蘇る。

当時からの変化といえば、好みのメニューが「かけそば大盛り」から「キツネ大盛り」に変わったことと、注文が食券に変わったことぐらい。

カウンター越しの「はい!かけ一丁」の掛け声が聞こえないのは少し寂しいけど、今日も暖簾に誘われ蕎麦屋の門をくぐる。

 

撮影/本人

撮影地/東銀座

 

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