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富士見百景 その七 「新横浜・夢オアシス(神奈川県)」

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* 横浜スタジアムと富士山のツーショット(冬に撮影)

横浜市を流れ、東京湾に注ぐ鶴見川は
年配の方にとっては
雨が降ると川が氾濫したという記憶を持たれているのではないだろうか?
特に横浜線沿線では
大雨による川の氾濫はその交通を遮り
「陸の孤島」
と言われた過去を持つ。

さて、今回訪れたのはその鶴見川からの富士見。
季節によってはダイヤモンド富士も見られる絶景ポイントは
市民にとっての絶好の散歩コースとしても愛されている。

過去に氾濫して水没した河川流域も
今は整備が進み、多目的遊水地として生まれ変わり、
公募によって
「新横浜・ゆめオアシス」
という名称も与えられた。
まあ少し残念なのはこの名称はあまり知られていないことだろうか。

新横浜は2002年日韓ワールドカップで
決勝戦の舞台にもなったサッカースタジアムがあり、
この「新横浜・ゆめオアシス」からも徒歩圏内だ。
横浜では自然が多く残っている地域と言える。

空気の透き通る冬には
自然と富士山の絶景を求める写真愛好家の方が
シャッターチャンスを狙っている姿が良く見受けられる。
 

お問い合わせ
横浜市環境創造局公園緑地部公園緑地整備課
045-671-4125

富士見百景 その六 「横浜大さん橋(神奈川県)」

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* 冬に撮影しました。

まさに絶景、
この景色こそ、横浜を象徴する景色ではないだろうか?
横浜大さん橋からの富士見である。

この大さん橋の歴史は1894年(明治27年)まで遡(さかのぼ)る。
きっと、このさん橋に着岸した旅客船から降りた多くの観光客が
富士山を眺めては感歎の声をあげたはずだ。

日本開港の主役となった歴史的な場所からは
素晴らしい富士山の姿があったに違いない。
新しい「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」が竣工したのは、2002年。
みなとみらい21地区にある横浜ランドマークタワーと観覧車、赤レンガ倉庫 、
そして富士山の組み合わせをここから見ることができる。

江戸の庶民はその富士山のある景色を愛し、
坂や高台に「富士見」という名をつけた。
「富士見町」「富士見坂」「富士見台」「富士見橋」。

そんな富士山を冠(かんむり)にした名前は横浜にも数多く存在する。
 

大さん橋管理事務局
横浜市中区海岸通1-1-4
URL: http://www.osanbashi.com

富士見百景 その五 「筑波山(茨城県)」

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*撮影叶わず観光物産協会さんからご提供頂いた写真
 写真提供 一般社団法人 茨城県観光物産協会

「西の富士,東の筑波」と言われてきたように
この筑波山は古くから多くの人々に愛されている。

まずはその姿の美しさだろう。
また山肌の色が朝は藍色に,昼は緑色,そして夕昏時には紫色に
その姿を変化させることから「紫峰」と呼ばれている筑波山である。

本日の富士見はこちらから。
男体山及び女体山山頂に筑波山神社の本殿が
山腹には拝殿があり、古(いにしえ)の頃から信仰の場としても有名である。

また近代この筑波山を有名にしたのはガマの油。
筑波郡筑波山麓出身の永井兵助なる者が、
故郷の薬「ガマの油」で一旗揚げようと売り口上を考案し、
江戸・浅草の縁日の大道で披露したのが始まりとされるガマの油売りが一世を風靡した。
今もガマ油口上保存会がこの口上を後世に残そうとされている。

さて肝心の「富士見」だが、これはかなりの確率を要する。
筑波山から 富士山までは直線距離で約156キロメートル。
富士見の可能性はやはり冬場頼りにならざるをえない。

余談だが、冬によく富士山が見える理由をお教えしよう。
冬型の気圧配置で強い北風が吹いて大気中のごみを拡散してくれる。
さらに快晴が多く、空っ風で空気が乾燥し水蒸気が少ないからという。
この水蒸気が少ないのがポイントだそう。

残念ながら今回の筑波山からは富士山を見ることは叶わなかった。
楽しみはまた次回ということで、次の富士見のスポットへ向かおう。

筑波山の詳しい情報
・(社)つくば観光コンベンション協会  
 茨城県つくば市筑穂1-10-4   つくば市大穂庁舎3階
 URL: http://www.ttca.jp/

・一般社団法人 茨城県観光物産協会
 茨城県水戸市三の丸1-5-38
 URL: http://www.ibarakiguide.jp/

富士見百景 その四 「高尾山(東京都)」

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関東に住む人たちにとっては
富士山に匹敵するぐらい馴染みのある高尾山(標高599m)。
「初!高尾山」が遠足って人も多いのではないだろうか?

フランスのタイヤメーカーミシュランと言えば3つ星、4つ星といった
レストラン、ホテルの格付けを行ったガイドブック(1900年より刊行されている赤本)が有名だ。
2005年からは名所案内の情報を折り込んだ新シリーズの実用旅行ガイドも発行している。

その旅行ガイドの日本版も2007年4月に日本でも発行され、
レストランなどと同様に格付けを行っており、
今回富士見百景で紹介している高尾山は、富士山とともに観光地として 3つ星に選ばれた。
3つ星の理由はもちろん 高尾山の自然の素晴らしさだろうが、
やはりなんといっても東京近郊にあることも選考のひとつの要因であろう。

もうひとつ高尾山と富士山の類似点は パワースポットとしても名所になっていることである。
高尾山には、「薬王院(やくおういん)」という寺院がある。
正式名称は高尾山薬王院有喜寺で、開山は744年( 天平16年)、
行基の開山と伝えられ、 成田山新勝寺、川崎大師平間寺とともに
真言宗智山派の三大本山に数えられている実に由緒正しいのがこの薬王院なのだ。
その利益をもとめて昨今登山者が増えていることも
富士山との類似点として挙げられる。

夏至の前後数日間には、富士山の真上に太陽が沈む
ダイヤモンド富士を見ることができることでも有名な
高尾山の頂上からの富士見をしにぜひ足を運んでみてはいかがだろう。

これからの登山シーズンに向かい
高尾山の駐車場は大混雑になる。
近隣の駅のパーキングに駐車し、電車で向かうのが無難。

 
高尾山へのアクセス
・京王線ご利用の場合:京王線新宿駅より準特急で直通約47分
・JR中央線ご利用の場合:新宿駅より特別快速で高尾まで約44分、快速で57分。高尾駅で京王線に乗り換えて3分

高尾山公式HP http://www.takaotozan.co.jp/index.htm
国土交通省富士見百景サイト http://www.ktr.mlit.go.jp/chiiki/fuji100.html

富士見百景 その三 「秦野弘法山公園」

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前回の富士見百景の旅で訪ねた逗子からは、さすがに富士山が遠かったが、
今回の目的地
秦野市権現山の山頂にある展望台からは、遮るものもなく、富士山は実に身近な存在になる。

浅間山、権現山、弘法山の3つの山を含む地域を弘法山公園と称している。
その弘法山公園だが、実に多くの肩書(?)を持っている公園なのだ。

「かながわの景勝50選」
「かながわの探鳥地50選」
「かながわの花の名所100選」
そして、「関東の富士見百景」

どうだァ!って感じの由緒正しき公園からの富士見はまた格別なはず。
弘法の名はもちろん

弘法大師が山頂で修行したことから名づけられたとの伝承に基づいている。

富士見を堪能した後は下山、
そこは鶴巻温泉へ直行。

秦野市営の弘法の里の湯で日頃の疲れを癒す。

 

弘法山公園

お問い合わせ 一般社団法人 秦野市観光協会
所在地 神奈川県秦野市桜町1-4-1
TEL 0463-82-8833
URL 国土交通省富士見百景サイト http://www.ktr.mlit.go.jp/chiiki/fuji100.html

富士見百景 その二 「逗子披露山公園」

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* 微かに富士山が・・・

 
関東の富士見百景とは、
2005年に、国土交通省が設定した富士山絶景ポイントのこと。

現在128景233地点が登録されている。
そのポイントを来年実現するであろう富士山の世界文化遺産登録まで
いくつ周るかを己に課している。
しかしこの百景とタイトルされているのに、実は128景233地点とは正直厳しい。

しかし百歩の道も一歩からではないが、
先ずは始めなければ何も生まれないのが世の常である。
さあ、今日も富士見を目指そう!

今回向かった富士見百景は神奈川県逗子市にある披露山公園。
公園にある展望台からは西側に逗子マリーナ、江ノ島、相模湾
そして天気が良ければ(!)雄大な富士山を眺めることができる。
この(!)の「天気が良ければ」がポイントなのであるが、
まあ富士見が天任せなのはしょうがないところ。
 

公園の名前にもなっている披露山だが
一説には源頼朝がこの地を訪ねた際、村人が茶壺を献上して、
その茶壺が頼朝に披露されたところが披露山になったと言われている。
今は富士見百景にも選ばれ、見事な富士山を披露してくれている。
 

披露山公園

所在地    神奈川県逗子市新宿5-1851
アクセス JR逗子駅よりバス小坪経由 鎌倉行「披露山入口」下車徒歩約15分
国土交通省富士見百景サイト http://www.ktr.mlit.go.jp/chiiki/fuji100.html

富士見百景 その一 「日暮里富士見坂」

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* 日暮里富士見坂から撮影

以前なら関東からはどこからでも天候さえ許せば見えたであろう富士山。
昔に比べると、高い建築物も増え、その「富士見」なる場所も少なくなっている。
しかし、まだまだ富士山を望む事のできる場所は関東各地に多数点在している。

その貴重ともいえる富士見スポットを国交省は「関東の富士見百景」と称し、
2005年(平成17 年)富士山への良好な眺望を得られる地点を選定している。
しかし実際は「~百景」と言ってはいるが、
128景233地点が選出されているのも面白い。

富士山を世界遺産にする活動は現在、山梨県と静岡県が中心となって進めているが
関東だって、富士山を愛す気持ちは引けをとらない。

とくに空気が清む冬はこのポイントからは実によく富士山が見える。
もちろんこの百景以外にも富士見のポイントはまだまだある。
自分だけのお気に入りの百景を選んでみるのもいいだろう。
そんな山梨・静岡以外から望める富士も今後紹介していきたい。

まず223マガジン編集部が選んだのがここ!
日暮里富士見坂(西日暮里)からの富士山。

ここは実は今大問題が起こっている。
なんと開発によって、ここから見える富士山が消滅の危機なのである。

もともとは完全な姿の富士山が見えていた富士見坂だが、
2000年に建設されたマンションにより富士山の左部分が消えた。
今後計画されている建設では富士山はほとんどこの坂からは見えなくなってしまうらしい。
現在、地元住民により結成された「日暮里富士見坂を守る会」により、
建設に反対する動きも活発化している。今後の展開も気になるところだ。

富士山ファンの一人としてもできれば富士見坂からの景色を守って欲しいものである。

国土交通省富士見百景サイト
URL http://www.ktr.mlit.go.jp/chiiki/fuji100.html

富士と月のランデブー

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作成年 2012年作品
撮影者 林敏弘
公式HP http://tramping.exblog.jp/

 

富士山好きな方の写真を公開させていただいている。
こちらの作品も東京カルチャーカルチャーイベント
「撮り富士ナイト」に出展頂いた
林敏弘さんの作品。

月の明かりで富士山が見える。
偶然か、それとも必然のなせる技だろうか?
霊峰富士は気まぐれだが、時に大きなプレゼントを与えてくれる。
林さんの執念と言おうか、
絶えずチャンスがあるところにいるからなのか、
あまりにも完璧な富士と月のランデブー。

いろんな切り口の富士山があるに違いない。
どこでも同じだろうが特に富士というところは
行って感じる以外手はない。

彼は断然行動力と芸術性を兼ね備えた
「ガチ撮りツアー」
を常に信条としているそうだ。
ガチ(ひたすら)撮り続けると近づける一枚がある。
この富士山はそんな一枚。

いっしょに旅をして愉しかったと想える人は
創作力において優れている人が多い。
彼はきっとそんな人だ。

富士山ブック2012

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タイトル 富士山ブック2012
出版社 山と渓谷社
価格 1000円

 

今年もガイドブックが書店に並ぶ季節がやって来た。
富士登山に必要な基礎知識と四大登山ルートを紹介。
これこそ富士登山ガイドの決定版。

このガイドブックは毎年、購入しているにもかかわらず、
また最新版を買ってしまう。
そして、買ったが最後、やっぱり富士山に登りたくなってしまう。
当然、富士山に向かう。

そう、旅のガイドブックは本を開いた時からすでに旅が始まっている。
そしてページをめくりながら既に心は富士山を登っている。

ガイドを眺めたりしながら、
富士山に行く準備をしている時はもしかしたら、
実際に登っている時以上に幸せなのではないだろうか。

さあ、表紙にあるように
「日本最高峰に登ります!」
でこの夏も富士山が待っている。

「夏之霊峰」 作 横山大観

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* 写真提供:山梨県立美術館

作品名 夏之霊峰
作者 横山大観
作成年 1941年頃の作品
大きさ 53.5×65.8cm
所在地 山梨県立美術館
山梨県甲府市貢川1-4-27
お問い合わせ Tel:055-228-3322
※展示期間等は美術館に確認してください
公式ホームページ 山梨県立美術館
www.art-museum.pref.yamanashi.jp
データ協力 インターネットミュージアム
www.museum.or.jp

 

もうすぐ富士山の山開き。
このシーズンが近づくと、そわそわしてしょうがない。
さらにそわそわ感が増しているように感じるのは
世界遺産登録への期待が日増しに高まっているからに他ならない。

さてこの223マガジンもその期待に応えるべく、
新たな領域を目指したいと計画している。
街ネタや身近なネタをピックアップすることを目的にしてはいるが、
やはりいいものはいいということで広く一般に知られる名作を巡る旅もスタートする。

その名も「ぶらり富士山ミュージアム」。
富士山の作品が展示されるミュージアムを訪ね、富士山作品を鑑賞しようというもの。
記念すべき第一回目は
山梨県立美術館に所蔵される横山大観(1868-1958)の「夏之霊峰」を鑑賞したい。
山梨県立美術館の開館は1978年、「ミレーの美術館」として知られ、
地元の方はもちろんのこと県外からの来館者が後をたたない。
日本のみならず世界的な美術家で知られる大観画伯も当初、
国内で全く日の目を見ず、飛び出した海外で評価を得て、故国に凱旋。

日本の美術再興の礎を築く。
酒をこよなく愛した大観の酔拳ならぬ、
酔筆を堪能あれ!
(※展示期間等は美術館に確認してください)

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