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2015年初旅は 富士山!

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旅は人生の道標(みちしるべ)をもっとうにしている私。
毎年富士山ツアーを欠かさない。
(もちろんほとんど仕事です)

しかしたまには仕事を忘れ、ゆっくりと温泉などにつかったりして英気を養いたいもの。
ということで行って参りました。
富士山は河口湖の温泉。
こだわりましたのは温泉に浸かり富士山を眺めること。
地元の知人にしっかりリサーチして、どの温泉から眺める富士が抜群かを確かめ、予約したのがこの絶景ホテル。
目の前が富士山だとわかっていましたが、
改めて目の前に現れた富士山の姿は、それはもう感動ものでした。
早朝6時から入れる温泉に日の出前から入り、朝日が登るのを待ちました。
日の出が近づくにつれ、稜線がはっきりしてくるのはまさに大スペクタル。
雪が被るこの季節はその雪の白さで暗い時間帯から富士山は存在感を示してくれています。
初日の出ではありませんでしたが、しっかり手を合わせて、今年の願掛けをしてきました。

一富士二鷹三茄子

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撮影は本人 2014年12月河口湖から撮影

2015年一発目の223マガジンでございます。
少し遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

タイトルにもあります「一富士二鷹三茄子」。
ご存知の通り、初夢に見ると縁起が良いとされるものを、
めでたい順に並べたことわざです。

由来については諸説ありますが、
江戸時代からのことわざというのは間違いないらしいです。
徳川家康に縁の深い駿河の国(静岡県)の名物を、
日本最高峰の富士山、
富士に棲む鷹、
他国よりも早く産出する初茄子を並べたと言われています。

ちなみにこのことわざには続きがあります。
「四扇五煙草六座頭(しおうぎ(よんせん)ごたばころくざとう)」
「富士と扇は末広がり、鷹と煙草の煙は上昇する(運気上昇)、茄子と座頭は毛がない(怪我無い)」
(これも諸説あります)
ということで2015年の皆様の初夢は?

 

223マガジン恒例 秋の夜長読書月間その7 「富士に立つ影」

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長編小説というものを最近はめったに読まなくなってしまった。

吉川英治や司馬遼太郎の長編を読むワクワク感がもうない。
単純に長編を読む体力が無くなったとも言えるが、
出版社もあまり冊数のかさむ長編を出す体力がなくなったのだろうか?

今回、秋の夜長を楽しむのに相応しい長編をご用意した。
「富士に立つ影」である。かなりの長編だ。
当初は10冊のボリュームであったという。
しかし長編であることを忘れさせる程面白く、一気に読める”超”のつくおもしろい作品である。

ジャンルは娯楽時代小説、全編を通して飽きさせない。
徳川幕府が富士山の裾野に練兵のための訓練城を建設するところから物語は始まり、
三代に渡る仇討ちがストーリーになる。
それにしても主人公の公太郎が、底抜けに面白い。
ぜひ騙されたと思ってページをめくってください。
秋の夜長が短くなります。

著者名 白井喬二
定価 9800円(税別)
出版社 沖積舎

223マガジン恒例 秋の夜長読書月間その6

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私たちが普段富士山を見る際、心のどこかで富士山はこうあるべきだという姿を追っている気がする。
少なくとも私が暮らす首都圏からの富士の姿はほとんど変わることがない。
雪を被るかどうかの差こそあれ、ほぼ定位置で私たちに姿を見せてくれる。
しかし、写真家藤原新也は、生活圏という俗世界から富士を遠望することを選択した。
スーパーや町の雑踏から眺める富士山は、時に怪しさを持って私たちの目の前に出現する。

私たちの日常その俗界と、神の棲む富士山とのコントラストが実に美しい。
「富士は泥沼と蓮華の花とが一体化したもの」という藤原新也の世界を覗いて欲しい。

著者名 藤原新也
定価 現在は中古での取扱になります。
出版社 新潮社(2000年刊)

223マガジン恒例 秋の夜長読書月間その5

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著者の草森紳一さんのお名前を始めて知ったのは、
学生時代によく買っていた「MEN’SCLUB」(改名前は「男の服飾」だった)を命名した人だということを知った時。

この随筆は江戸時代の庶民の暮らしについて、
一体なぜこんなことまで知っているのだろうと言うほど詳細に記している。
これぞまさに随筆のお手本のような一冊。
特に江戸庶民にとっての富士山考は大変興味深い。
富士山以外にも「江戸」を、芸、図案(デザイン)、花、火事、性(エロ)などのテーマを分けて綴っている。
名著 『江戸のデザイン』(1972年刊/駸々堂)が出版されてから実に28年ぶりの復刻になる。
莫大な数の蔵書を保有していたことで知られており、
収入が本に消えることを書いた自著『随筆:本が崩れる』は悲しいほど面白く拝読した。
さぞ富士山関係の資料もたくさんお持ちだったのだろう。そんな想像が楽しい。
著者名 草森紳一
定価 現在は中古での取扱になります。
出版社 翔泳社,(2000年刊)

223マガジン恒例 秋の夜長読書月間その4

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タイトルに「富士山世界文化遺産登録記念出版!」と銘打った世界遺産登録記念本。
その仰々しさに少しオドロオドロシさ感じるが、内容は眉唾でない。

曼荼羅(まんだら)とは、仏教(その中でも密教)において聖域を指すサンスクリット(梵語)。
日本人にとっての聖地富士を縦横無尽に斬る様がテンポ良く面白い。
富士山と神や仏との関わりを読み解いていくうちに、
決してパワースポットに特別関心があるわけでもないが、すっかりパワスポに詳しくなってしまった。
またパワスポのみならず、本文第5章では「富士山麓セラスポへの誘い」と称し、
セラピースポットの紹介もしている。
パワスポとセラスポの違いはぜひ本文で確認して頂きたい。
まんだらの世界遺産をめぐる旅へご案内!
著者名 みんなの富士山学会 編 加藤迪男、石原和拓ほか
定価 1,700円+税
出版社 日本地域社会研究所

223マガジン恒例 秋の夜長読書月間その3 「漫画版 孤高の人」

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新田次郎の小説を原案に、クライミングにとりつかれた
青年・森文太郎を描く、本格的登山マンガ。

小説「孤高の人」は、昭和11年1月槍ヶ岳の北鎌尾根で行方不明になった
加藤文太郎の生涯を綴った小説であり、執筆にあたり参考にしたのは
加藤文太郎の遺稿集だと言われている。
漫画版(全17巻)の舞台は主に北アルプスなどが中心だが、
森文太郎が富士山の観測所で働く姿も。
苦悩する文太郎の姿や富士山の描写の緻密さが素晴らしい。坂本氏の画力にも注目。
この漫画で初めて出会った作家だが、この画力が作品の質をさらに上げている。
時代を超えた名作が漫画でも読める幸せを噛み締めよ。
作画 坂本眞一
原案 新田次郎
原作 鍋田吉郎、高野洋(共に途中降板)
出版社 集英社
定価 555円(税込)

223マガジン恒例 秋の夜長読書月間その2

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西原理恵子、「サイバラ」をこよなく愛するサイバラリストが数多くいることでも有名。
漫画家でエッセイの達人、もはや一部で教祖的な扱いをされている。

そのサイバラの人気漫画エッセイシリーズの第3弾。
出産後に富士山ダイエットに挑戦する様を痛快に語る西原節は益々絶好調。
体重増加に七転八倒する本人が富士山に登ることでダイエットを目指す。
当然富士山への登山経験は皆無、スタート地点である5合目に着いた時からひたすら愚痴る、愚痴る、愚痴り倒す。
富士山をこよなく愛する人たちにはその愚痴は耳障りにしか聞こえない。
しかしこのサイバラ女史に批評は無用なのである。
富士山に初めて登り、サイバラさんのように感じた人も実は多いのでは?
いつもの通り、期待を裏切らない波潤万丈のサイバラワールドがぎっしり。
読み応えたっぷりの一冊に仕上がっております。
週刊誌『SPA!』(扶桑社)に1996年から不定期連載中。
著者 西原理恵子
出版社 角川書店
価格 667円+税

223マガジン恒例 秋の夜長読書月間その1

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絵本のようで絵本を超越したアート作品集でもあり、

また宝物のような詩がちりばめられた詩集でもある。
1987年に歌集『サラダ記念日』(河出書房新社)で一躍有名になった、
歌人俵万智さんが織りなす世界に引き込まれて脱出不可能になる。
歌人が富士山を描くアーテイストの絵に惚れ込み、
はじめて子ども向けに短歌を選び、文を書き下ろしたのが
この絵本の誕生秘話になる。
そのイラストを描くのは大御所U.G.サトー(ゆーじー さとー)氏である。
アイデアにあふれる24枚の富士山のイラストに、
二十四節季になぞらえて書き下ろす歌が見事なまでに美しく心に響く。
それにしてもアーテイストの目に映る富士はこのように独創的なのか!
ページをめくるたびに感動を覚えた。
立春から始まって大寒に終わる日本の季節に改めて四季の素晴らしさを知る。
珠玉の絵本をぜひ寒い日に家族でお読みください。
著者 俵 万智 U.G.サトー
価格 1,300円+税
版元 福音館書店(2012年刊)

富士山を観に行こう!第12弾「横山大観記念館」(東京都)

taikan.jpg本人の意思で、死後自宅を財団法人に寄付し、
公的資産として日本美術界のために役立てて欲しいと言う通り、
横山大観の作品や習作、遺品、画稿、スケッチ帳などの寄贈を受け設立されたのがこの記念館。

1958年2月26日に90歳で没するまで、この場所から多くの名作が誕生した。
京風数寄屋造りのこの建物で大観は富士山に想いを馳せ、
筆を手にしたのだろうか?そんな想像が楽しい。
作品の入れ替えは三か月ごとだそう。
上野からの散歩コースとしてもとても程よい距離なので秋の散歩にぜひ大観に触れていただきたい。
そこには間違いなく大観の息づかいがするはずである。
もちろん所蔵品には富士を描いた「霊峰飛鶴」(昭和28年)などがあり、観る事が出来る。
併設の売店ではぜひ大観の富士山をお土産に!
ミュージアムデータ
公益財団法人 横山大観記念館 〒110-0008  東京都台東区池之端1-4-24
TEL  03-3821-1017
詳しい案内 http://members2.jcom.home.ne.jp/taikan/

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